<div style=" border: 1px dashed #ddd; padding: 15px; background: #d5e3ff; font-weight: bold; margin: 20px 10px;"> 薬剤師の在宅活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)に対する対応方法、解決法を探るコーナー「在宅活動のピットフォール」。アドバイザーの福地昌之さんが、ご自身の患者さん対応の事例を紹介してくれました。 70歳 男性 <p style="font-size: 1em; margin: 1.33em 0; border-left:3px solid #960bf8; background: #f0f0f0">主疾患・既往 脳腫瘍、高血圧、手の振戦、足のむくみ <p style="font-size: 1em; margin: 1.33em 0; border-left:3px solid #960bf8; background: #f0f0f0">内服薬 ニフェジピン10mg 1回2 錠 1日2回 朝・夕ロサルタンカリウム50mg 1回1錠 1日1回 朝アゾセミド30mg 1回1錠 1日1回 朝※訪問開始当初は、残薬が多くあった。日めくり形式のお薬カレンダーを作製してベッド柵に結んだところ、現在、服用忘れはほとんどなくなった。※この日は通常の内服薬の他に、外用薬ネリゾナクリームとウレパールクリームの混合が処方 介護度4 訪問診療:月2回 薬剤師の訪問:月2回訪問介護:毎日朝方1時間、掃除・身の回りの世話訪問看護:月2回 訪問入浴:週2回 <p style="font-size: 1em; margin: 1.33em 0; border-left:3px solid #960bf8; background: #f0f0f0">生活スタイル 一人暮らし。息子さんが近くに住んでいる日中は一人でベッドで過ごすことが多い夜11時頃に息子さんが来るまでは起きている食事は昼食と夕食の2回(息子さんが買ってベッド脇の台に置いておく)ベッド脇のポータブルトイレで排泄をすます <p style="font-size: 1em; margin: 1.33em 0; border-left:3px solid #960bf8; background: #f0f0f0">病状 血圧はほとんど問題なし足のむくみがなかなか取れない手の震えがある起きたては発声がうまくいかない ある日の訪問時に行ったこと 残薬の確認とベッド柵へのお薬カレンダー設置足のむくみの状態を確認むくみは変わらずに続いている。食事の確認昼食を完食していたので、食欲・嚥下には変化なしと判断した。ただし、コンビニ食が多いので、栄養の偏りが心配である。処方された外用薬(塗り薬)に関して状況を確認腹部に痒みを生じたとのこと。外用薬(混合薬)の軟膏ツボのふたが開けられるか確認手が不自由なので試してもらったところ、蓋を軽く閉めてあれば開閉できた。睡眠状況を確認夜中にトイレに起きるが、力むと目が覚めて眠れなくなってしまうとのこと。医師への報告患者さんが「ポータブルトイレの柵を握りしめて力むので、左腕の毛細血管が切れて、青あざになり腫れている」と発言。 →医師に報告した。夜間のオムツ使用を勧める「できることはなるべく自分でしたい」という気持ちを尊重し、1日中オムツを勧めるのではなく、排泄する時の出血を少しでも減らす目的で「夜間はぐっすり眠るためにオムツをしてみたらどうでしょうか?」とさりげなく聞いた。ケアマネにも相談をし、同様のアプローチをしてもらった。