ドライバー遺伝子陽性肺がんへのABCP療法は有用か

IMpower150試験のOS最終探索的解析

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野上 尚之 氏 田中 希宇人 氏
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〔編集部から〕複数のがん専門医の視点による解釈をご紹介する本企画。第3回は、最近J Thorac Oncol誌に掲載された、未治療の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する「抗PD-L1抗体+抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)薬+化学療法」併用の有効性を検証した第Ⅲ相試験IMpower150の全生存(OS)最終探索的解析の結果に関する論文について、田中氏と論文の筆頭著者で愛媛大学病院地域胸部疾患治療学講座教授の野上尚之氏に解説いただきました。ぜひご一読ください。

【論文名】IMpower150 Final Exploratory Analyses for Atezolizumab Plus Bevacizumab and Chemotherapy in Key NSCLC Patient Subgroups With EGFR Mutations or Metastases in the Liver or Brain

【出典】J Thorac Oncol 2021年10月6日オンライン版

 ドライバー遺伝子変異/転座陽性のNSCLCに対する化学療法+免疫チェックポイント阻害薬の併用療法については、わが国の『肺がん診療ガイドライン 2020年版』では、「行うよう勧めるだけの根拠が明確ではない」(推奨度決定不能)とされている。一方、ドライバー遺伝子変異陰性のNSCLCでは、化学療法+免疫チェックポイント阻害薬に抗VEGF薬を加えることでより高い有効性が示されている。愛媛大学病院呼吸器内科教授の野上尚之氏らは今回、オープンラベルの国際第Ⅲ相ランダム化比較試験IMpower150のOSについて、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性例、および肝・脳転移の有無別に見た探索的な最終解析の結果をJ Thorac Oncol(2021年10月6日オンライン版)で報告した。

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