胸腔ドレーンが脱落しない"裏技"の真価は? バルーンカテーテル装着という試み 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:縫合して固定が一般的な脱落対策 呼吸器科では、気胸や胸水に対して胸腔ドレーンが留置されることがあるが、管理上問題になるのが、ずれや脱落である。 胸腔ドレーンの位置がずれる頻度は9~42%とされており(JAMA 2015; 314: 2641-2653、Thorax 2015; 70: 189-191)、悪性胸水に対する胸膜癒着術を検討した研究においては、位置がずれたことによりタルクが投与できなかったことが示されている。 皮膚と胸腔ドレーンを糸で縛ることで、物理的に抜けないようにするのが一般的だが、縫合が甘かったり、患者の体位によっては、位置がずれたりすることはよくあり、場合によっては自然脱落することもありうる。単施設の後ろ向き研究では、縫合することで位置のずれを減少させることが示されている(表1、Respiration 2018; 96: 48-51) 表1. 胸腔ドレーンの脱落:縫合群 vs. 非縫合群 (Respiration 2018; 96: 48-51) さて、胸腔ドレーンにバルーンカテーテルを装着することで、脱落を防ごうという試みがある。これは確かに理にかなっており、膀胱バルーンカテーテルが抜けないようにする原理と同様である。実は小規模な試みは過去になされており、比較研究ではないパイロット研究では、20例中19例で胸腔ドレーンのずれが起こらないことが示されている(J Trauma Acute Care Surg 2015; 79: 1038-43; discussion 1043)。 今回紹介する研究(Eur Respir J 2021年12月23日オンライン版)では、胸腔ドレーン先端から11cmのところにバルーンを装着した特注品を使用している(図)。 図. バルーン付き胸腔ドレーン 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×