コロナの「波」でDNRの取られ方に差
研究の背景:日本でのACP普及は不十分だが、新型コロナ患者のDNRは?
新型コロナは本稿執筆時点で6つの「波」を日本にもたらした。波が来るたびにコロナ病棟は入院患者でいっぱいになったが、「波」の形は一様ではなかった。社会における毎日の感染者数もそうだが、中等症・重症患者の数も「波」によって変化した。
入院時にコード(医療処置に関する事前指示)を確認するのは大切だ。いわゆる「DNR」(do not resuscitate)の有無により、ICUで挿管管理するのか、挿管はしないで一般病棟でケアするのかなど、診療方針や診療担当者が大きく変わるからだ。DNRは僕が研修医のころにも普及していた用語だが、最近ではDNAR(do not attempt resuscitation)とか、DNACPR(do not attempt cardiopulmonary resuscitation)とか、異なる用語が提唱されている。が、そこは本稿ではさしたる問題ではない。
日本では、アドバンス・ケア・プラニング(advance care planning;ACP)はあまり普及していない。ACPを行っている医者や看護師は3割に満たない。
Inoue M, Hanari K, Hamano J, Gallagher J, Tamiya N. Current Engagement in Advance Care Planning in Japan and Its Associated Factors. Gerontology and Geriatric Medicine. 2019 Jan 1; 5: 2333721419892694.
ACPを日本では「人生会議」と呼ぼうか、と厚生労働省が提唱しているが、あまりよいネーミングではないし、普及にも寄与していないように思う。
日々の診療を観察していると、DNRの取られ方がコロナ病棟で変化しているように思われた。思われたのだが、何がどう変化したのか、よく分からない。よく分からないときは、調べてみるのが大事だ。
本稿も、われわれが行った研究の紹介である。
Morishita N, Iwata K. The Vicissitude of Do Not Attempt Cardiopulmonary Resuscitation (DNACPR) Order During COVID-19 Pandemic in Japan - A Retrospective Cohort Study. Int J Gen Med. 2022;15:3943-3950.
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岩田 健太郎(いわた けんたろう)

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。
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