潜在性結核感染はINHでなくRFPを使用する!

付:森鷗外、日本人が知らない日本語、啄木、梶井基次郎

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 N Engl J Med総説「潜在性結核感染は...」の文中、国内採用はありませんが、rifapentineを週1回の注射製剤と記載いたしましたが、読者の方々からは内服製剤であるとのご指摘を頂きました。調べてみましたところその通りでした。
 修正をしました。申し訳ございませんでした。

西伊豆健育会病院 仲田和正

 N Engl J Med2021; 385: 2271-2280)に潜在性結核感染の総説がありました。ずっと気になっていたので今回まとめてみました。大変驚いたのは潜在性結核にイソニアジド(INH)単剤6~12カ月の治療は米国では、もはや過去の治療となり使われていないことでした。rifapentine(国内未発売)週1回3カ月+INH 3カ月内服に代わっていたのです

 これは2011年と2018年の下記2つのランダム化比較試験(RCT、N Engl J Med)の結果によります。

PREVENT TB trial(Sterling TR,et al. Three months of rifapentine and isoniazid for latent tuberculosis infection. N Engl J Med 2011 Dec.8; 365: 2155-2166)
Menzies D, et al. Four Months of Rifampin or Nine Months of Isoniazid for Latent Tuberculosis in Adults, N Engl J Med 2018 Aug.2; 379: 440-453

 このような重要なRCTのほとんどはN Engl J Medに、たまにLancetに掲載されます。SGLT2阻害薬のRCTもほとんどN Engl J Med掲載でした。

 N Engl J Med総説「潜在性結核感染」最重要点は次の8点です。

  1. ツ反(Sn80%、Sp95%)は主観的、BCG影響。IGRAs(Sn90%,Sp95%)はBCG影響なし
  2. INH単剤はもはや使用せぬが6~12カ月投与、肝毒性、末梢神経障害ありVB6投与
  3. 潜在結核にrifapentine週1回内服+INHを3カ月。またはRFP経口単独4カ月
  4. LTBIの5~15%発症:発熱、発汗、疲労、体重減、咳。潜在→発症は連続したもの
  5. 患者接触、HIV、免疫↓はツ反5mm。矯正施設、蔓延国旅行>1カ月はツ反10mm、2年注意
  6. 免疫↓、PSL≧2mg/kg、15mg/日1M以上はツ反5mm。頭頸部がん、胃切、BMI<20、<5歳注意
  7. T-SPOTはIFN-γ+抗体の沈殿を目視カウント、QuantiFERONは器械計測、客観的
  8. 結核疑い→精査、潜在性はRFP経口4カ月、AST、ALT、CBC確認、1カ月ごとフォロー
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