COPDの息切れにモルヒネは効くのか

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研究の背景:COPDの主症状は呼吸困難、オピオイドに期待

 オピオイドはオピオイド受容体に作用し、鎮痛作用や鎮咳作用をもたらすが、呼吸困難を軽減する作用もある。終末期のがん患者や心不全患者において、モルヒネは呼吸困難を緩和させることが示されている(Ann Oncol 1999; 10: 1511-1514Ann Intern Med 1993;119:906-907Acta Oncol 2012;51:996-1008Oncologist 2019; 24: e583-e589J Cardiol 2020; 75: 682-688)。がん患者においては、オキシコドンの有効性も示されており(Am J Hosp Palliat Care 2013 ;30:305-311)、緩和ケア領域では、経口ではなく持続皮下注が用いられることも多い。

 さて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主症状は呼吸困難である。そのため、呼吸中枢に作用するモルヒネは有効と考えられてきた。しかし、「慢性の息切れにモルヒネは?」で述べたように、COPDを含めた良性呼吸器疾患に対して、呼吸困難を軽減させる効果はなかったことが示されている(Thorax 2020; 75: 50-56)。しかし、この研究は純粋にCOPDの集団を対象としたものではなかったことから、COPD患者を対象にBEAMS研究が行われ、その結果が発表された(JAMA 2022; 328: 2022-2032)。

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