オシメルチニブ関連肺炎のリアルワールドデータ

Osi-FACT試験

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佐藤 悠城 氏 田中 希宇人 氏
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〔編集部から〕複数のがん専門医の視点による解釈をご紹介する本企画。第12回は、Chest誌に掲載された、リアルワールドセッティングにおける上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性Ⅳ期非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブの安全性を検証した論文について、田中希宇人氏と論文の筆頭著者である神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科副医長の佐藤悠城氏に解説いただきました。ぜひご一読ください。

【論文名】Drug-Related Pneumonitis Induced by Osimertinib as First-Line Treatment for Epidermal Growth Factor Receptor Mutation-Positive Non-Small Cell Lung Cancer:A Real-World Setting

【出典】Chest 2022; 162: 1188-1198.

 第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性Ⅳ期NSCLCに対する一次治療での有効性が示されており、日本肺癌学会の『肺癌診療ガイドライン 2022年版』でも強く推奨されている。一方、オシメルチニブ投与に伴う薬剤性肺炎(DRP)は致死的になることがあり、特に日本人を含むアジア人では他の人種に比べリスクが高いことが知られているが、信頼に足るリアルワールドデータは少なかった。そこで佐藤氏らは、Ⅳ期NSCLCへの一次治療におけるオシメルチニブ関連DRPの発現率などを検証する目的で、日本人を対象とした多施設後ろ向きコホート研究Osi-FACT試験を行った。 

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