「座り続けない」ことの医学的効用 血糖、血圧の改善効果が明らかに 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:Breaking up prolonged sittingが合言葉 昨年(2022年)、日本糖尿病学会が初の薬物療法アルゴリズムを発表したが(糖尿病 2022; 65: 419-434、関連記事「緊急解説!糖尿病薬物療法アルゴリズム」)、その直後に米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)が2型糖尿病の血糖管理についての合同レポートを4年ぶりに改訂した(Diabetes Care 2022; 45: 2753-2786)。 この改訂において、長らく続いてきた2型糖尿病薬物療法の第一選択薬はメトホルミンという概念が後退し、心腎臓器保護への影響を考えるのであればSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬を第一選択薬にしようという概念が提案されている。 この変更はADA(Diabetes Care 2021; 44: S111-S124)あるいはEASD(Eur Heart J 2020; 41: 255-323)の独自のアルゴリズムにおいて、一定程度提案されていた内容だったので、多くの糖尿病専門医にとっては衝撃であるとはいえ、納得の内容であったと感じている。 一方、私にとって(衝撃ではないが)感激だったのが、24時間の身体活動の重要性を示す図表が掲載されたことである(図1、表1)。 24時間を示していながら、時計の4~8時の角度が夜(Sleep)に当てられているなど、十分には理解しがたい部分もあるのだが、有酸素運動(Sweating/Moderate-to-vigorous activity:右上)やレジスタンス運動(Strengthening:右下)に加え、歩行(Stepping:左中段)と坐位の中断(Breaking up prolonged sitting:左上)が記載されている。歩行をWalkingとせず、Steppingで記載していることもあり、図1はあえて和訳せずに掲示させていただきたい。 図1. 24時間の身体活動や睡眠の重要性 表1. 身体活動や睡眠が2型糖尿病患者に与える影響 (図1、表1ともDiabetes Care 2022; 45: 2753-2786) そんな中、米国スポーツ医学会の機関誌に、Breaking up prolonged sittingをタイトルとした論文が掲載された(Med Sci Sports Exerc 2023年1月12日オンライン版)。健常者を対象に、坐位を30分ごとに低強度での歩行(時速3.2km)で中断した場合と60分ごとに中断した場合、坐位を1分で中断した場合と5分で中断した場合の2×2=4通りの坐位中断法が血糖などに与える影響を、坐位を継続した場合と比較したという論文である。タイムリーであると考え、ご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×