TKI、免疫チェックポイント逐次療法の安全性は?

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渡部 聡 氏 田中 希宇人 氏
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〔編集部から〕肺がん領域で注目の最新論文について、複数のがん専門医の視点による解釈をご紹介する本企画。第13回は、Int Immunopharmacol誌に掲載された、進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)とチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の逐次療法の安全性を検証した論文について、田中希宇人氏と新潟大学大学院呼吸器・感染症内科学分野准教授の渡部聡氏に解説いただきました。ぜひご一読ください。

【論文名】The safety profile of EGFR/ALK-TKIs administered immediately before or after ICIs in advanced NSCLC

【出典】Int Immunopharmacol 2023; 116: 109787.

 進行・再発NSCLCの薬物療法では、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性例およびALK融合遺伝子陽性例への第三世代TKIが登場して治療成績が向上したが、一部の患者ではTKIに抵抗性を示すことがあり、そうしたケースにおけるICIの有効性について検討が進められている。一方、実臨床では遺伝子検査の結果を待つ間にICI投与を開始する場合もある。このようなTKIとICIの逐次療法では有害事象発生率の上昇が報告されており、薬剤の種類や投与スケジュールなどとの関連も指摘されている。そこで中国・Central South UniversityのDehua Liao氏らは、進行NSCLC患者におけるEGFR/ALK-TKIと抗PD-1/PD-L1抗体による逐次療法の安全性を検証する目的で、後ろ向き研究を実施した。

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