糖尿病専門医も衝撃、3受容体作動薬の効果 GIP/GLP-1/GCG作動薬retatrutide 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景1:変わるグルカゴンの認識―インスリンと協調する作用も 今年(2023年)4月、GLP-1受容体とGIP受容体の2つの受容体に対するdual agonistであるチルゼパチド(商品名マンジャロ)がわが国で発売された。 チルゼパチドについては、2021年にSURPASS 2試験(N Engl J Med 2021; 385: 503-515)が報告されるまで、GIP受容体を介した作用で体重が増加しやすくなり、トータルとして減量効果は弱くなるであろうと想像されていた。しかし、予想に反して、チルゼパチドは既存のGLP-1受容体作動薬に比べて強い体重減量効果とHbA1c改善効果を発揮した。それ故、現在、薬理学的なレベルでのGIP受容体活性化作用はいったいなにを身体にもたらすのかについて、精力的な研究が世界的に行われている。 一方、それとは別に、以前から作用の見直しが行われていたのがグルカゴンである。私の学生時代(医学部卒業は1994年)には、グルカゴンはインスリンと拮抗作用を示すホルモンであると教えられ、糖尿病治療においてはその作用は抑制すべきと考えられていたのである。 しかし、サンドイッチELISA法によるグルカゴン測定法の普及に伴って、血中濃度の変化が精細に調べられるにつれ、グルカゴンは必ずしもインスリンと拮抗するホルモンではないことが判明し、時にはインスリンと協調する全く特異な作用を持つホルモンであると考えられるようになっている。 そんな中、GLP-1受容体、GIP受容体、グルカゴン受容体の3つの受容体に対するtriple agonistであるretatrutideについての第Ⅱ相試験の結果が米国糖尿病学会年次学術集会(ADA2023)において報告され、N Engl J Med 2023年6月26日オンライン版(肥満症に対する試験)とLancet 2023年6月26日オンライン版(2型糖尿病に対する試験)に同時掲載された。SURPASS 2を超える衝撃的な結果であり、緊急にご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×