服薬制限不要の経口GLP-1R作動薬が登場

danuglipron、orforglipronの第Ⅱ相試験

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研究の背景:現行の経口GLP-1受容体作動薬には面倒な服薬制限あり

 先月(2023年6月)のDoctor's Eyeで、経口インスリン製剤開発についての論文をご紹介し、なかなか難しい状況にあるように思われることをお伝えした(関連記事「経口インスリン製剤の開発は進んでいるのか」)。今回取り上げるのは、経口GLP-1受容体作動薬の開発についての論文である。

 経口GLP-1受容体作動薬としては、既にセマグルチド(商品名リベルサス)が存在するではないか、とお考えの先生もいらっしゃると思うが、今回ご紹介するdanuglipron、orforglipronは低分子物質であり、吸収促進剤サルカプロザートナトリウム(SNAC)で包含する必要がない。すなわち、服用する際の水分量や、服用前後での禁飲食といった制約が不要の経口GLP-1受容体作動薬なのである(セマグルチドの分子量は4,113.6、danuglipronの分子量は555.6、orforglipronの分子量は883.0)。

 このたび、danuglipron、orforglipronの第Ⅱ相試験が報告され、いずれも良好な結果であった。今後、第Ⅲ相試験を経て上市される可能性が高いと考えご紹介したい。

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