本当に心不全? POEMS症候群かも
研究の背景:POEMS症候群について復習
POEMS症候群は、異常な形質細胞が増えることで血管内皮増殖因子(VEGF)やM蛋白が産生される疾患である。日本では疾患の報告者の名前をとって「クロウ・深瀬症候群」と呼ばれることがあるが、欧米では主症状の頭文字をとって「POEMS症候群(P:polyneuropathy-多発神経炎、O:organomegaly-臓器腫大、E:endocrinopathy-内分泌障害、M:M-protein-M蛋白、S:skin changes-皮膚症状)」と呼ばれている。
こちらが国際標準の病名であることから、本稿では以下「POEMS症候群」と記載させていただく。
さて、日本におけるPOEMS症候群の推定罹患者数は400人程度とされているが、多系統におよぶ疾患であることから見逃されがちであり、これを機に臨床的特徴を押さえておきたい。
まず、厚生労働省難治性疾患克服研究事業の研究班による診断基準は以下の通りである(表1)。
表1. POEMS症候群の診断基準

(厚労省研究班「クロウ・深瀬症候群診断基準」)
血清VEGFはよほど疑わなければ測定されないバイオマーカーなので、多発ニューロパチー、浮腫、皮膚異常などの臨床症状から、本症候群を含めた多系統疾患を疑えるかどうかが肝となる。
さて、今回紹介するのは、POEMS症候群における肺病変を含む臨床的特徴を解析した論文である(BMC Pulm Med 2023; 23: 465)。POEMS症候群の主たる症状として呼吸器系はあまり知られていないが、合併頻度が高いことが示されている。
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倉原 優 (くらはら ゆう)
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。










