成人の肺炎に関する話題~GLを中心に~

長崎大学病院呼吸器内科(第二内科)・岩永 直樹氏

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成人肺炎診療ガイドラインが改訂

 今年(2024年)4月、日本呼吸器学会の『成人肺炎診療ガイドライン2024』が7年ぶりに改訂された。2020年初頭から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に蔓延し、呼吸器非専門医の肺炎診療をサポートする意味でも、ガイドライン(GL)の重要性は日々高まっている。日本は超高齢社会を迎え、専門性にかかわらず高齢者肺炎を診療する機会が多く、一定の指針を示すことは喫緊の課題であった。今回の改訂で多くの議論を重ねた点として、医療・介護関連肺炎(NHCAP)の取り扱いがある。米国では医療ケア関連肺炎の概念がなくなり、日本においてもNHCAPに過剰な広域抗菌薬が投与されやすい現状にあることから、フローチャートの抜本的な修正が実施された()。

図. 肺炎診療のフローチャート

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(日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」より著者改変)

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