【最終回】 究極の「アウトカム」は患者さんからの声?

心房細動領域からの知見

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 2015年に始まったこの連載も、今回が最終回となります。ここまで足かけ10年お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

はじめに:アウトカム研究の歩み

 連載初稿で、私はこの連載で多くの「アウトカム」研究を取り上げたいと書かせていただきました(関連記事「ヘパリンブリッジ−その橋はどこへ続くのか?」):

「アウトカム」というのは、一般的にはさまざまな臨床的なイベントを指し、循環器領域では急性冠症候群や心不全の発症、そして究極的には死亡ということになります。

 その「アウトカム」を真に改善できる医療行為や介入はどんなものなのか?

 こうした疑問に対して、新しい手技やクスリを検証するのではなく、既に「そこにある(承認されている)」さまざまな手法を現場目線で整理していくというのがアウトカム研究の真骨頂です。畢竟この領域の研究では、ランダム化試験などは実施せず、既存のデータ(リアルワールドデータなどと言及されることも多いです)を用いて「検証」するというステップが中心となります。

 このようなフォーマットで行われるアウトカム研究ですが、医学の各領域でも注目を集めています(循環器領域でも米国と欧州でCirculation: Cardiovascular Quality and OutcomesEuropean Heart Journal: Quality of Care and Clinical Outcomesという専門誌が創刊されました)。私たちも、この連載の期間中にアウトカム研究をテーマとした臨床研究の大学院を設立させていただきました(慶應義塾大学循環器内科医療科学系大学院)。もし、こうしたお話に興味があるようでしたら、ぜひ当方のウェブサイトを覗いてみてください。

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