糖尿病医のフィブラート処方が増える!? 網膜症の進行予防を示したLENS試験から 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:フィブラートは心血管系では臓器保護効果示せず 脂質異常症の治療薬として使用頻度が高いのは、スタチン系薬剤(以下、スタチン)とフィブラート系薬剤(以下、フィブラート)であろう。前者は高LDLコレステロール(LDL-C)血症に、後者は高トリグリセライド(TG)血症に頻用され、実際にそれぞれの血中濃度をしっかりと改善してくれる。 ただ、スタチンをはじめとする薬剤によるLDL-C低下治療には心血管イベント抑制効果を示した臨床研究があるのだが(Lancet 2020; 396: 1637-1643)、これまでのところわが国で入手可能なフィブラートで臓器保護効果を示した臨床研究はなかったように思う。 例えば、ACCORD LIPID試験では心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者に対して、シンバスタチン+フェノフィブラートをシンバスタチン+プラセボと比較して、有意な心血管疾患の予防効果を得ることができなかった(N Engl J Med 2010; 362: 1563-1574)。ただ、同試験のサブ解析において、「高TGかつ低HDL-C」の集団に対しては、フィブラートの有効性が示唆されていた。 そこで、高TGかつ低HDL-Cの2型糖尿病患者を対象に実施されたのがPROMINENT試験であったが、この試験でもペマフィブラートによる心血管イベントの抑制効果を示すことはできなかった(N Engl J Med 2020; 387: 1923-1934)。フィブラートによる臓器保護効果のエビデンスは不足しているのである(表1)。 表1. フィブラートによる主な心血管疾患アウトカム試験など (山田悟氏作成) そんな中、N Engl J Medの姉妹誌にベザフィブラートによる網膜症進展予防効果を示す論文が掲載された(NEJM Evid 2024; 3: EVIDoa2400179)。2型糖尿病患者に対するフィブラートの新たなる展開であると考え、ご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×