開業するとき、先輩の医師からアドバイスをもらうべき?

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医療コンサルタントとして数多くの組織開発を手がけており、医師からアドバイスを求められることも多い、株式会社AMI&I代表取締役の溝口博重氏に「開業する際の相談相手」というテーマでお話を伺いました。

お話を伺った方
株式会社AMI&I代表取締役 溝口博重氏
「日本の10年後の医療・ヘルスケアを変革する」をミッションに、全国の医療機関の人材採用・組織マネジメントを中心とした経営支援を実施。NPO法人 医桜の代表理事として「日本の医療の質の向上」に取り組まれるなど、"医師のよき相談相手"として多方面にて活躍中。
https://ami-i.jp/

ーー本日は、株式会社AMI&Iの溝口様をゲストにお迎えし、「開業するにあたり先輩の医師に話を聞いたり助言を求めたりするのは良いことなのか」というテーマでお話を伺いたいと思います。溝口様、どうぞよろしくお願いいたします。

 よろしくお願いします。開業する時に開業医の先輩に話を聞きに行くケースはよくありますが、一つポイントとしては考えて欲しいのは、あくまでもN=1でしかないということです。

 開業医の先輩も、恐らくまだ1回しか開業したことがないと思うので、自分の失敗や成功については話せると思いますが、基本的にはやはりN=1です。なので参考になる部分もあるけれども、あまり自分には該当しない点もあると思います。

 ただ、分院展開までしているような先生だったら聞きに行った方が良いと思います。やはり1回、2回、3回とやってるからこそ、「ここはやっぱり何回やってもつまずくよね」とか、「ここは変えていくといいよね」といった形で、1軒目より2軒目、2軒目より3件目の方がよりスマートになっていきますので、可能であれば本院を見に行くよりも一番新しいところを見学させて欲しいと話した方が、より良いアドバイスが得られると思います。

ーー確かに今の話は納得感がありますね。溝口様が新規開業したいという先生の相談を受けた際に、「ここだけは外さないように!」とアドバイスしている点は何ですか?

 診療スペースは先生の好きなように設計すれば良いと思いますが、やはり受付の動線は気になります。受付は高齢の患者さんだと低くなっていないと話しづらいのですが、結構高めにつくっているケースがよくあります。

 多少足の悪い人でも目線を合わせて話せるような高さと、立って話せるようなところを2つ作っておくとよりいいなと思います。受付は病院の患者さんに対する姿勢が表れるところなので、大切にした方がいいと私は考えています。

ーー「患者さんが一番最初に接するのは受付のスタッフだ」という話はよく耳にしますし、そこでクリニックの印象が大きく変わってくるのかなというのは私も感じます。

 そうですね。デザイン性を優先するとなかなかユニバーサルデザインまでには至らないケースが多いとは思うんですが、基本的に座りながらの対応になってしまうのは仕方ないので、患者さんと自然に目線が合うような高さだとか、最近では足の悪い方も増えてきているので、何か説明するときに患者さんが見やすいような高さを考えるというように、患者さんの視点で考えることは必要だと思います。

ーー溝口様のほうで新規で開業したいという先生の相談を受けたり、コンサルティングしている案件は多いのですか?

 私はあんまり開業コンサルは行わないので、もし頼まれても「いや、あんまりやりたくない」って話しをするんですが(笑)、相談程度は受けています。私が断った後にコンサル、よその開業コンサルに頼んだという話を聞くんですが、「こうした方がいい、ああした方がいい」と言われて、「ちょっと気に入らない」とおっしゃる先生もいます。

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