多様化する医師の働き方とキャリア観 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 現役の整形外科医として勤務する傍ら、医師専用スライド共有サービス「Antaa Slide(https://slide.antaa.jp)」等を運営する「アンター株式会社」の代表である中山俊氏。その経歴から将来の進路に悩む研修医や医学生からの相談を受けることも多い中山氏に、医師が今後のキャリアパスを描く上でのヒントを伺った。 お話を伺った方アンター株式会社 代表取締役 CEO 中山 俊(なかやま しゅん)氏 鹿児島県出身。鹿児島大学医学部を卒業後、2011年国立病院機構東京医療センター初期研修医。成田赤十字病院整形外科、翠明会山王病院整形外科を経て2016年アンター株式会社を設立。東京科学大学客員准教授 https://corp.antaa.jp/ SNSの発達によって生まれた「何か行動しなければ」という焦り ーー今回は「医師のキャリア観の変化と多様化」というテーマで中山先生にお話を伺わせていただければと思います。 中山様 よろしくお願いします。キャリア観が多様化しているという点については、医師の皆様はおそらく実感が増しているだろうなと思っています。私自身、医師5年目で会社を作って起業したのが2016年のことですが、割と早い時期だったと思います。今は週1回の臨床をしながら、会社の事業にも取り組んでいますが、医師が起業することについて、私個人宛にDMなどのメッセージをいただくことがちょこちょこあります。また、友人や飲み会で知り合った先生方から「どうしたらいいかな」といった相談を受けることもあります。 色々な方から相談を受けていますが、例えば私と同世代の、30代後半から40歳手前くらいの方ですと、先生方は皆様それぞれ専門をお持ちで、専門医も取っていて、ある程度のことは自分一人でできる方が多いです。多くの診療科では30代後半になると一人前としてある程度日々の診療などを任されていくと思いますが、同時に「じゃあ、自分は今後どうしていこうか?」と悩まれるタイミングでもあると思います。 その悩みは多分、SNS時代より前は少なかったと思うんですよ。以前は、自分の社会の範囲は、一緒に働いている人や大学の同級生とかが中心で、テレビの向こう側は自分じゃないと思ってた人が多かったと思うんです。自分と画面の向こう側の人はさすがに違うよね、と。でも、SNSで繋がっている人たちに対しては知り合いと同じようなレベル感で見ている感覚があります。 X(旧Twitter)とかFacebookとかを開くと、「起業しました」とか「30代前半で病院を作りました!」とか、あとは「良い車乗ってます!」とか(笑)。「お笑い芸人になりました」「本を書きました」って人も最近いらっしゃいますよね。そういうものを見ていると、「自分、なんか遅れてないかな!?」というように、何かやらないといけないのではないかと、よく分からない焦りみたいなものが生まれてきてしまうと。 ーー確かに身近にそういった活動をしている方がいると、ついつい焦りを感じてしまいますね。 おそらく、研修医時代や専門医を取るまではそもそも忙しすぎて脇目を振ることができなかった状態の先生方が、ある程度専門医などの資格は揃ってきたという段階で、「次に取る資格は特に決まっていないけれど、開業するにはまだ早い」と思うタイミングになるのではないでしょうか。「何かしないといけないんじゃないか?」と思い始めるのがそのくらいの世代なのかなと。 よく来る質問で一番多いのは「何かしたいと思うんですけど、何したらいいですかね?」という抽象的なご相談です。「何がしたいですか?」ということを掘り下げていくと、特に明確な目的があるわけではない方が多く、「周りを見ているとこういうことをしている人がいて、こういうのだったら自分もできるかなと思うのでやってみようかなと思います」と仰るわけです。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×