痤瘡にビタミンDが有効か

タイ・軽症~中等症を対象としたRCT

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研究の背景:ビタミンDは代謝疾患などと関連

 痤瘡は毛包脂腺系の炎症性疾患で、有病率は20.5%とされる。痤瘡患者では精神的健康、自己肯定感、QOLの低下などが多数報告されている。脂腺分泌、ホルモンバランス、角化などの異常が関与しているとされ、Cutibacterium acnesはインターロイキン(IL)-6やIL-8などの分泌を介して炎症を引き起こすと考えられている。

 治療の第一選択は、過酸化ベンゾイル(BPO)やレチノイドの外用薬または両者の併用だが、レチノイド外用薬は刺激が強く、妊娠を希望する人には使えない。他方、ビタミンDは筋骨格系疾患に重要なカルシウム代謝機能の調整に加え、代謝疾患、悪性疾患、免疫疾患との関連も指摘されている。具体的にはエリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、化膿性汗腺炎、痤瘡、円形脱毛症などが挙げられる。

 そこで今回、痤瘡の補助治療としてビタミンD2の有効性について検討した論文を紹介する(Int J Womens Dermatol 2024; 10: e163) 。

羽白 誠(はしろ まこと)

はしろクリニック院長。大阪大学大学院招聘教員。1986年大阪大学医学部卒業。1991年大阪大学大学院(皮膚科学)で博士課程修了。1994年箕面市立病院皮膚科医長、関西労災病院皮膚科医長、1999年大阪大学大学院非常勤講師、2001年国立大阪病院(現国立病院機構大阪医療センター)皮膚科部長、2004年大阪警察病院皮膚科部長、2008年神戸女学院大学人間科学部非常勤講師を経て、現職(大阪大学大学院招聘教員は2005年から)。

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