section.archiveWrapper { width: 720px; } レセプトデータを用いている医療機関は数多いが、実際にそのデータを分析し運営に活用しきれているケースは限られるのではないだろうか。今回は、クリニックや病院向けさまざまな増収策をサポートしている株式会社Co-Buyの長瀬顕生氏に、レセプトデータの分析手法と実際の施策に活かすためのヒントを伺った。 お話を伺った方株式会社Co-Buy 専務取締役 長瀬 顕生(ながせ けんしょう)氏長年、医療機器ディーラーとして医療材料・器械・システムの販売、クリニック開業、病院移転新築計画等の業務に従事。2019年に株式会社Co-Buy専務取締役に就任。 セミナーでは診療報酬改定、医療DX、開業支援、SDGs等についての講師も務め、規模を問わずブランディングを通しての経営安定化、患者様の安心感を提供できる施策、スキムを構築している。 https://www.cobuy.biz/ レセプトデータ活用、その最初の一歩は 長瀬様 毎月の「合計実績」については把握されている医療機関様は多くいらっしゃいますが、前月の総収入や経費、患者数などの合計値は認識している一方、どのような疾患の患者様が多く来院されているのか、自院の増収のポテンシャルまでを数値化して把握されているケースは少ないのではないでしょうか。経営的な視点から申しますと、 ・単価の高い処置や疾患の患者様がどれほど来院されているか・来院されている患者様の年齢層はどの世代の方が多いのか・リハビリや、病院ですと服薬指導などコメディカル様の収益性がMAXなのか これらのデータを把握・分析することは重要ですし、さらにリースや購入された医療機器が実際に収益に貢献しているかどうか。投資に対する回収がしっかりできているかを把握することも経営的には重要です。先生方からご相談をいただく際、「当院ではこういった疾患の患者様が多い」とのお話をいただくこともありますが、実際に分析を行ってみると、意外にも認識の範囲外にいる患者様が多く来院していることや、収益の高い患者様がいることも見えてくる場合もあります。 経営改善にレセプトデータを活用する上でまずご提案させていただきたいのは、過去2~3年分のレセプトデータを用いて、キーとなる実情を詳細に分析してみることです。こうした情報を見える化することは、取るべき施策を考える上でのヒントになります。 例えば、新規患者を増やすべきか、あるいは先生の専門性に特化する方針が適切かどうかが判断しやすくなりますし、病院の運営においても、ベッドと在院日数のコントロールがどれほど必要か、あるいは人員配置や既存患者様での増収ポテンシャルなど、具体的な数値に基づいて優先的かつ効率的な方策を講じることために必要なデータとなってきます。 レセプトデータ分析の活用事例 データ分析によってどのようなことが見えてくるのか、またどのようなデータが必要なのかを具体的な事例をもとに見ていきましょう。 まず、過去の病院様やクリニック様で共通して実施した、過去3期分レセプトデータの分析事例です。外来と入院の収入割合や、年度ごとの比較、診療区分ごとの収入、さらに診療行為別の収入の詳細を幅広く把握する必要があります。病院様の場合、各部門で会議等での実績報告は既に行われているかと存じますが、ご施設全体の収入内訳を俯瞰的に確認することが重要です。 また、クリニック様においても、初診患者と再診患者の割合、収入帯(3,000円未満、1万円、3万円、3万円以上など)ごとの傾向など、10割負担の金額で分析してみていきます。一例として、整形外科のクリニック様での診療行為別の集計を示します。 このクリニック様の場合、リハビリをオーダーされた患者様が1万円から3万円未満の価格帯に多く集中しており、リハビリによって高い収益を上げていることが見えてまいりました。実際、病院様やクリニック様から弊社に「どのような施策を取れば患者様が再び戻り、経営が安定するのか」というご相談をいただくことが多々ありますが、患者様の来院が減少し、収入が安定しないため経営の継続に不安を感じているというご相談が多く、一度データをもとにした分析をご提案することが多くなっています。ここからは実際に私がご相談をいただいた事例をもとにご説明していきます。 次回のランチタイム勉強会配信テーマ・視聴予約はこちら