縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー治療薬アセノイラミン酸発売

ノーベルファーマ

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 ノーベルファーマは昨日(11月25日)、アセノイラミン酸(商品名アセノベル徐放錠500㎎)について、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制を適応として発売を開始したと発表した。

 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーは、特に体幹から離れた部位の筋肉から萎縮・変性していく希少疾患で、国内で確認されているのは現在約400例といわれている。この患者ではアセノイラミン酸が生体内で十分に合成されないことが分かっており、筋肉のシアル酸の量が少ないことや、いくつかのタンパク質のシアル酸含量が低下していることが報告されていた。またマウスを対象とした動物実験において、発症前にアセノイラミン酸を与え続けると運動能力、骨格筋の収縮力、血液検査の値、筋病理像などが正常マウスと同じように推移することも判明していた。

 これらの結果を踏まえて、同社は国立精神・神経医療研究センターや東北大学と共同研究を実施。同薬の有効性などを検討する医師主導国内第Ⅱ/Ⅲ相試験および国内長期投与試験を経て、3月26日に薬事承認を取得した。

 これまで同疾患の根本的な治療法は存在せず、拘縮を防ぐリハビリが対象療法として実施されていたため、同薬は縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーに対する世界初の治療薬となる。

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