新たな抗てんかん薬、アジア人対象の第Ⅲ相試験で有効性示す

小野薬品工業、SK Biopharmaceuticals

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 小野薬品工業は12月10日までに、韓国のバイオテクノロジー企業SK Biopharmaceuticalsが抗てんかん薬(ASM)による治療でコントロール不良な部分(焦点)発作を有するアジア人患者を対象とした多施設共同の第Ⅲ相臨床試験(YKP3089C035)において、cenobamate(米国販売名:XCOPRI)が有効性と安全性を示したことを発表したと公開した。

 cenobamateはSK Biopharmaceuticalsの抗てんかん薬で、小野薬品工業が日本における独占的な開発および商業化を行うライセンス契約を締結している。

 同試験は、1~3種類のASM投与にもかかわらず部分(焦点)発作を有する韓国、中国、日本の18~70歳の成人を対象に実施。患者をプラセボ群、または併用療法として同薬を100mg、200mgもしくは400mgを1日1回投与する群に1:1:1:1で割り付け、cenobamateの併用療法としての有効性および安全性を評価した。

 その結果、cenobamate群では有効性の主要評価項目を達成し、すべての用量群で6週間の維持期における発作頻度の変化率の中央値が有意に減少した。副次評価項目の解析では、維持期での有意な発作消失率が示された。同薬漸増の早期に相当する5~6週目の部分(焦点)発作頻度の有意な減少も認められ、減少率はcenobamate群で42.9%、プラセボ群で15.4%だった(P=0.002)。有意な発作減少は、評価したすべての発作サブタイプ(焦点意識保持運動発作、焦点意識減損発作、焦点起始両側強直間代性発作)で認められた。

 なお、cenobamate投与群で多く認められた有害事象(20%以上)は浮動性めまいと傾眠だった。

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