当直中の食事休憩で人生相談 東京女子医科大学病院の初期研修 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 編集部から 研修医の実体験を通して臨床現場の生の声を伝える「初期研修リアル体験記」。国家試験に合格したばかりの先生は未来の自分を重ねながら、ベテランの先生はご自身の思い出を振り返りつつお読みいただければ幸いです。 玉﨑 梨花 (たまざき りんか) 所属:東京女子医科大学病院 研修先:東京女子医科大学病院(2023年4月〜25年3月) 学会発表、尻込みしていたけれど... 東京女子医科大学病院の研修では、大学病院ならではのアカデミックな活動に加え、多くの実践経験を積むことができました。 初期研修施設の選択で私が重視した点は「どれだけ充実した研修生活が送れるか」でした。当初、「大学病院は市中病院に比べ手技を経験できる機会が少ないのではないか」という不安もありましたが、実際には全く問題なく、むしろ充実した手技の機会が得られ、さらには学術的な面でも多くの経験を積むことができ、大変満足した研修期間となりました。 まず、アカデミックな面ではどの診療科でもカンファレンスや抄読会が盛んなのはもちろん、研修医の学会参加にもとても積極的でした。これまでに私は学会発表の機会を5回(発表予定も含めると6回)いただきました。学会発表と聞いて最初は尻込みしてしまいましたが、実際に自分が診た患者について興味を持った点を深めていく経験はとても楽しく、学会発表に向け準備をしていると毎日時間がたつのがあっという間でした。 手技に関しては、日々の採血やルート確保からルンバール、腹水穿刺まで、各診療科特有のものを含め多くの機会に恵まれました。私の志望である消化器外科での研修時には、実際に執刀医を担当させていただく機会もありました。患者の人生の一大イベントである手術の際の入刀を担当するのが自分であるということへの責任感など、助手として参加するのとは全く異なる緊張感を体験し、この気持ちを生涯大事にして医療に携わっていきたいと思いました。2年間を通して、ヘルニア、虫垂炎、遊離空腸採取、人工肛門造設など約10件の執刀の機会をいただき本当に良い環境で研修できたと思っています。 写真1. 研修の様子 執刀医を担当する玉﨑氏(前方右) 17時に退勤可能 業務の忙しさは診療科によってかなりばらつきがありましたが、働き方改革もあり、どの診療科も原則17時で退勤可能でした。日中は病棟業務や手術/検査に参加しつつ、自分の業務が落ち着いているときは外来見学や担当患者以外の検査の見学などへ積極的に出向き、退勤後は学会発表の準備や自己学習、緊急手術への参加などを行い、忙しくもとても充実した研修生活でした。 図. 消化器外科研修時の1日の主な流れ 「持ち患制」の診療科では、自分自身で検査オーダーから家族へのインフォームド・コンセント(IC)取得まで対応しなければいけないため、研修医の裁量はかなり大きかったのではないかと思います。ICの際は、患者や家族からの質問にしっかりと答えられるか毎回とても緊張しましたが、大きく成長できたと思います。もちろん、複雑なICのケースでは上級医が同席してくださるので安心して臨むことができました。 研修医のやる気を尊重 東京女子医科大学病院はコンビニエンスストア、喫茶店に加えて2台のキッチンカーが毎日来るため、昼食はメニューに飽きることなくつくり立てを食べられ、とても満足度が高いと思います。当直時には、上級医の先生が出前を頼んでくださり、複数人で一緒に食べることも多くありました。救急外来の当直は、研修医1~3人および救急外来当直の上級医1~2人の体制で行うのですが、その際にいろいろな診療科の先生とお話しする機会がありました。進路の相談をしたり、人生設計についてアドバイスいただいたり、当直中の食事の時間もとても有意義なものでした。 写真2. 医局での誕生日会 玉﨑氏(前列中央)と東京女子医科大学消化器病センター肝胆膵外科学教授/基幹分野長の本田五郎氏(前列右) 最後になりますが、どのような研修生活を送れるかは自分次第だと思っています。東京女子医科大学病院には、研修医のやる気をむげに扱う先生は1人もいませんでした。進路が決まっていないからこそ、いろいろなことに興味を持ち積極的に参加していくことを通じて充実した2年間を過ごすことができると思います。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×