乳幼児~成人が感染するRSウイルス(RSV)感染症。しかし、RSVに感染した生後6カ月未満の小児や、リスクを有する成人および高齢者では、重症の下気道疾患を来し予後不良であることが分かっている。その程度は、成人例でインフルエンザと同等とされていたが、近年インフルエンザ以上の負の影響をもたらすことが報告され、治療薬がない現在、いっそうの注意を要する。そのような中、2023年以降、60歳以上へのRSVによる感染症予防ワクチンが登場した。高齢者がRSV感染症に罹患することのリスクを示す新知見、および実臨床での有効性が期待される同ワクチンについて、昭和大学内科学講座臨床感染症学部門教授の時松⼀成氏に聞いた。