昨年(2024年)は、SPOTLIGHT試験やGLOW試験の結果から、CLDN18.2を標的としたゾルベツキシマブが実臨床で導入されるなど、消化器がん治療の発展を肌身で感じた1年でした。このような治療の進歩は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)や欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で報告されることが多いのですが、消化器がんに関してはASCO-GIでも重要なデータが報告されるので、消化器がん治療に携わる医師にとっては必見の学会であると言えます。今回のASCO-GI 2025でも多くのデータが報告されましたが、その中でも日本の臨床に与えるインパクトを考慮して、がん種別(食道がん、神経内分泌腫瘍、大腸がん)に3演題を取り上げて解説します。