積極降圧の有用性、分水嶺は「治療前eGFR 75」?

SPRINT試験後付け解析

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。1月27日~2月2日の1週間に公開された論文からフォーカスしたのは「治療前腎機能レベルで見た積極降圧の有用性」(ESC Heart Fail 2025年1月26日オンライン版)。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

積極降圧を支持する代表的RCT"SPRINT"

 昨年(2024年)公表された欧州心臓病学会(ESC)による高血圧管理ガイドライン (Eur Heart J 2024; 45: 3912-4018)は、一般的な降圧目標を診察室血圧「120~129/70~79mmHg」に引き下げた。このような積極降圧を支持するランダム化比較試験(RCT)の1つが 、"SPRINT"(N Engl J Med 2015; 373: 2103-2016)である。血圧測定法をめぐる誤解(後述)や「積極降圧群で脳卒中が減っていない」などの疑問の声を受けながらも、積極降圧の有用性を示すエビデンスとされている。

 しかし、治療開始前の推算糸球体濾過量(eGFR)が「75mL/分/1.73m2」に満たない場合、積極降圧の有用性には疑問符がつくかもしれない。中国・Tongji UniversityのLi Haonan氏らが1月26日、同試験の後付解析として報告した(ESC Heart Fail 2025年1月26日オンライン版)。

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