「SGLT2」は高齢者向き、「GLP-1」は若年者向き?

血糖降下薬のMACE抑制効果に年齢の影響か

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ
〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。2月3~9日の1週間に公開された論文からフォーカスしたのは「血糖降下薬の効果への年齢の影響」(JAMA 2025年2月3日オンライン版)。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

ネットワークメタ解析で3クラス薬の特徴を検討

 SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、2型糖尿病合併の有無を問わず、主要心血管イベント(MACE)抑制作用が確認されている。しかし、これらの抑制作用は、患者年齢の高低に伴い変化する可能性があるようだ。年齢や性別は薬剤使い分けの指標になるだろうか。

 英・University of GlasgowのPeter Hanlon氏らが、ランダム化比較試験(RCT)のネットワークメタ解析の結果として、JAMA 2025年2月3日オンライン版で報告した。

 解析対象となったRCTは18歳以上の2型糖尿病例を対象に、SGLT2阻害薬、GLP-1 RA、DPP-4阻害薬のHbA1c低下作用をプラセボ/他剤と比較した592報(計30万9,503例)と、同様にMACE抑制作用を比較した23報(16万8,489例)である。

 これらを対象に「ネットワークメタ解析」を実施した。同解析ではRCTで直接比較されていない薬剤同士も、間接的な比較が可能となる。以下は、その結果明らかになった各血糖降下薬の特徴である。

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