強い組織創りのための採用・面接術 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 株式会社AMI&Iの代表取締役 溝口博重様をゲストにお迎えし、採用や面接で重要視するべきポイントやどのような人材を採用すべきなのか?など、特別に溝口様オリジナルの面接シートの一部をご提供・ご紹介いただきながら、採用や面談でのポイントを伺いました。 お話を伺った方株式会社AMI&I 代表取締役 溝口 博重(みぞぐち ひろしげ)氏 「日本の10年後の医療・ヘルスケアを変革する」をミッションに、全国の医療機関の人材採用・組織マネジメントを中心とした経営支援を実施。NPO法人 医桜の代表理事として「日本の医療の質の向上」に取り組まれるなど、"医師のよき相談相手"として多方面にて活躍中。https://ami-i.jp/ ――本日は、AMI&I株式会社の溝口様をお招きし、「強い組織創りのための採用・面接術」というテーマでお伺いしたいと思います。溝口様は、さまざまな先生方のご相談に応じられ、いわば"支援役"としてご活躍されていますので、知見やアドバイスもお持ちなのではないでしょうか。 溝口様 私どもには、「コンサルタントはいらない。でも、アドバイスが欲しい先生向けに」というキャッチフレーズがあります(笑)。 ――そのフレーズは、まさに今日のテーマにぴったりですね。新規開業にせよ承継開業にせよ、スタッフの採用や補充などクリニックにとっ採用活動は必要不可欠かと思いますが、多くの先生方が人材の問題で悩まれている印象を受けます。 そこで、本日はクリニックの採用活動に焦点を当て、溝口様がこれまで先生方に助言されてきたアドバイスの中でも「こういった採用活動が特に効果的だった」といったお話を伺えればと思います。 開業前に院長のご経験がない限り、採用業務に携わる機会は少ないかと思いますし、先生の中には、採用活動そのものが初めての経験という方も多いのではないでしょうか。 溝口様 おっしゃるとおりです。今回はそのような先生方に向けて、私の専門分野である「組織開発」、つまり組織作りの観点から、採用についてご説明できればと考えています。 採用の話を始める前に「ビジョナリー・カンパニー」という書籍をご存じでしょうか?この書籍では、世界的に成功を収めている企業の共通点として「明確なビジョンを持っている」ことが挙げられています。その中で、人材採用について「誰をバスに乗せるかを選べ」という表現があります。 バスという比喩は、「目的地を設定し、その目的地に向かうためのメンバーを選ぶ」という意味が込めており、クリニックに置き換えて考えると、雇用可能な人数は限られているため誰を一緒に目的地へ向かわせるのかを慎重に選ばなければならない。ということになります。 ――非常に興味深いお話ですね。「目的地をまず明確にし、それに適した人材を選ぶ」という考え方は、新たな視点を与えてくれるように思います。 溝口様 クリニックを黒字化すること自体は、それほど難しい目標ではないかもしれません。しかし、5年後、10年後に提供したい医療の形を描かずに採用を進めると、後に「このメンバーでは理想の医療が実現できない」という事態に陥りかねません。ですので、最初の段階でしっかりと目的地を設定し、それに見合う人材を選ぶことが極めて重要なのです。 ――「目的地が曖昧では、そこに辿り着けない」という考え方は示唆に富んでいますね。 溝口様 採用活動を進めるにあたっては、「誰をバスに乗せるか」という視点を常に意識していただきたいと思います。 本日はこの「誰をバスに乗せるか」という観点に着目して採用についてお話ししますが、まず、目的地に向かう際には、優秀であることだけを採用基準にするのではなく、同じバスに乗る仲間としてふさわしい人物かを見極める必要があります。 たとえば、優秀ではあるものの協調性が欠けていたり、チームの一員として協力を得られないような人物は、バスに乗せるべきではありません。 ――そういう視点は新鮮で面白いですね。個人のパフォーマンスだけを見るのではなく一緒に目的地を目指す仲間としての適性を見極めることが重要ということでしょうか? 溝口様 そうです。さらに「目的地にふさわしい人物」を採用するためには、まず採用側がクリニックや組織のビジョンを明確にしておく必要があります。 これは単にクリニックを経営して黒字化することが目的ではなく、「どのような医療を提供したいか」「地域でどのような存在になりたいか」という方向性をしっかりと描いておくということです。 この点を明確にしておかないと、繰り返しにはなりますが、開業から5年後、10年後に、「経営は安定しているが、目指したい医療を実現するには今のメンバーでは難しい」といった悩みを抱えることになります。それは、採用の段階でビジョンに合った人材を選んでいなかった結果ともいえるのです。 ――私自身、今までそのような視点で採用について考えたことがありませんでした。確かに採用の段階で目的地を共有できる人材を選んできたかどうかは、将来課題にぶつかったときに明暗を分けそうですね。 溝口様 はい。つまり採用活動は短期的な必要性を満たすためではなく、中長期的な視点で取り組むべきものなのです。 また、採用活動においては、「試験」のように優秀な人材を選ぶことに注力する方が多いですが、それだけでは十分ではありません。 優秀であっても協調性に欠ける人物や、他のスタッフと相性が悪い人物を採用してしまうと、組織全体の機能を低下する可能性があります。 ――個人でみたときに優秀でも、組織にとって必ずしもプラスになるわけではないですもんね。 溝口様 組織は一人で成り立つものではありません。特にクリニックのように少人数で運営する組織の場合は、各メンバーが目的地に向けて協力できるかどうかが非常に重要となります。 この観点を考慮せずに採用を進めると、結果的に後々のマネジメントコストが膨らんでしまうことになります。 ――マネジメントコストが膨らむというのは、具体的にはどういう影響がでてくるのでしょうか? 溝口様 例えば採用した新しいスタッフがチームの中で問題を起こした場合、その問題を解決するために院長が対応しなければならない時間や労力が必要となります。また、チームの雰囲気が悪化し、他のスタッフのモチベーションが低下することも考えられます。 これらの事態を防ぐためにも「この人をバスに乗せても問題ないか?」を採用の段階で考えるべきなのです。 ――それは確かに重要ですね。採用段階での見極めの甘さが、後々の大きなトラブルにつながる可能性もあるということですね。 溝口様 そのため、私どもでは採用の際に「iFace」という独自の基準を活用しています。この基準では、採用候補者を5つの観点から評価することで、バスに乗せるべきかどうかを判断していきます。 次回のランチタイム勉強会配信テーマ・視聴予約はこちら 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×