「パクリタキセル塗布バルーン」がDESに勝る

小血管径冠動脈病変で、RCTのメタ解析

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。2月17~23日の1週間に公開された論文からフォーカスしたのは「小血管径冠動脈病変に有効なPCI」(Eur Heart J 2025年2月21日オンライン版)。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

非小径血管病変に比べ難治の小血管径冠動脈病変

 小血管径冠動脈病変(SV-CAD)に起因する虚血性心疾患の割合は決して低くない。経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を要する冠動脈疾患例を対象としたall-comerランダム化比較試験(RCT)"DUTCH PEERS"では、参加1,811例中44.1%で、SV-CADへのインターベンションが必要だった。

 一方、同試験からは「第二世代」DESであっても、SV-CADに対する薬剤溶出ステント(DES)の「主要心血管イベント」(MACE)、「標的病変不全」(TLF)抑制作用は非SV-CADに比べると、有意かつ著明に劣っていることが明らかになった(Am Heart J 2016; 176: 28-35)。

 そのため代替として、ステントを用いない薬剤塗布バルーン(DCB)を用いたPCIの有用性に関する検討が続けられてきた。そして、現時点のRCTデータを統合解析すると、パクリタキセル塗布バルーン(PCB)はDESに比べ、SV-CAD例のMACEリスクを有意に抑制する可能性が明らかになった。イタリア・ Verona University HospitalのSimone Fezzi氏らがEur Heart J 2025年2月21日オンライン版で報告した。

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