アボットメディカルジャパンは3月14日までに、非弁膜症性心房細動(NVAF)による脳卒中のリスクを低減する左心耳閉鎖術のデバイス「Amulet左心耳閉鎖システム」を発売したと発表した。昨年(2024年)10月に製造販売承認を取得していた。(関連記事「抗凝固療法下の脳梗塞、再発予防戦略は?」) NVAFは脳卒中の危険因子であり、経口抗凝固療法(OAT)による予防が必要となる。鼠径部から静脈にカテーテルを挿入し閉鎖デバイスを留置する左心耳閉鎖術は開心術よりも侵襲性が小さく、脳卒中リスクの軽減やOATの中止が期待できる。 Amuletは独自の2層構造を有し、従来のデバイスでは閉鎖が困難とされる多様な形状・サイズの左心耳に対する閉鎖術の施行可能性、術後リークの抑制による高い閉鎖性を実現。海外臨床試験Amulet IDEにおいて、主要作用機序評価項目(経食道心エコーによる術後45日時の左心耳有効閉鎖率)、主要安全性評価項目〔術後12カ月時の手技関連合併症、全死亡、大出血(BARCタイプ3以上)の複合〕、主要有効性評価項目(術後18カ月時の虚血性脳卒中または全身性塞栓症の複合)から成る主要評価項目について、既存デバイスに対する非劣性が示されている。 なお、日本循環器学会は昨年10月17日に「Amulet左心耳閉鎖システム使用指針」を公表している。