乳がんサバイバーで要注意の意外な?心血管疾患

真に予防すべき疾患が浮き彫りに

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ
〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。4月21~27日の1週間に公開された論文からフォーカスしたのは「乳がんサバイバーの心血管疾患」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

長期生存乳がんサバイバーの主要死因は心血管疾患

 わが国女性における乳がん有病率は、2020年時点で「約700人に1人」である。5年間の相対生存率も92.3%と高く(国立がん研究センター「がん情報サービス」)、乳がんサバイバーはもはや珍しくない。

 他のがん同様、乳がんサバイバーでも、がん再発予防と並んで重要なのが心血管疾患(CVD)の予防だ。有名なデータだが、10年間生存した乳がん例ではそれ以降、CVD死が乳がんによる死亡を上回る(Breast Cancer Res 2011; 13: R64)。では、乳がんサバイバーでは、どのようなCVDが多発しているだろうか。

 実はこの点を大規模かつ包括的、さらに長期間にわたり検討した研究は多くなかった。そこで、ノルウェー・Oslo EconomicsのIngrid Engebretsen氏らは、同国データを用いてこの問題を調べ、4月23日、EHJ Openで報告した(初回報告は2024年の欧州心臓病学会)。長期にわたりリスクの上昇が観察されるCVDは「3つ」あるようだ。

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