気管支拡張症の「夜明け」を期待させるbrensocatib
研究の背景:viscous vortexを形成する気管支拡張症
気管支拡張症には、国際的に「嚢胞性線維症」「非嚢胞性線維症」という区分がある。前者は若年患者に見られる遺伝性疾患としての側面があり、後者は中高年以降の女性に発症しやすいという特徴があるが、日本国内では嚢胞性線維症は極めてまれであり、基本的に後者の気管支拡張症に遭遇することが多いだろう。
中高年女性に発症しやすい理由はいまだにはっきりしていないが、閉経による女性ホルモンの低下だけでなく、生まれ持った体質や非結核性抗酸菌症などの繰り返す呼吸器感染症など複合的要因が絡み合っていると考えられる。それぞれが渦巻のような悪循環を形成するため「viscous vortex」と呼ばれることが多い(図1)。
図1. viscous vortex

前回、気管支拡張症に対する吸入ステロイド薬の研究を紹介した際、「カテプシンC(DPP-1)阻害薬がある」と述べた(関連記事「結局、気管支拡張症に吸入ステロイドは効くの?」)。2024年に速報ニュースが流れていたのでご存じの読者もいるかもしれないが、この代表的薬剤であるbrensocatib のエビデンスを示したASPEN試験の結果が発表されたので紹介したい(N Engl J Med 2025; 392: 1569-1581)。
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倉原 優 (くらはら ゆう)
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。









