武田薬品は本日、ナルコレプシー1型(NT1)患者に対する経口オレキシン(OX)2受容体作動薬oveporexton(開発コードTAK-861)の有効性と安全性を検討した第Ⅱb相試験において、全ての用量で良好な結果が得られたと発表した。なお、結果の詳細はN Engl J Med(2025; 392: 1905-1916)に掲載された。 同試験では、日本、欧米、オーストラリアで登録した18~70歳のNT1患者112例をoveporextonを投与する4群(1日2回群:0.5/0.5mg、2/2mg、2/5mg、1日1回群:7mg)またはプラセボ群に割り付け、8週間投与した。解析の結果、oveporexton投与群において日中の過度の眠気(EDS)の客観的・主観的な指標の有意な改善、情動脱力発作(カタプレキシー)発現率の低下、疾患の重症度およびQOLについて臨床的に意義のある改善が得られ、安全性および忍容性も良好だった。 同社は、複数のOX2受容体作動薬の開発を進めているが(関連記事「武田の新規ナルコレプシー治療薬の第Ⅱ相が早期中止、安全性の懸念」「ナルコレプシー治療薬候補が開発中止」)、第Ⅲ相試験に至ったのはoveporextonが初。今年(2025年)中に第Ⅲ相臨床試験のデータ読み出しを予定しているという。