ベーリンガーインゲルハイムは昨日(5月15日)までに、経口選択的HER2チロシンキナーゼ阻害薬zongertinib(開発コードBI 1810631)について、治療歴があるHER2遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした第Ⅰb相非盲検用量漸増試験Beamion LUNG-1で持続的な奏効および臨床的に意義のある結果が示されたと発表した。結果の詳細はN Engl J Med(2025年4月28日オンライン版)に掲載された。(関連記事「zongertinib、HER2遺伝子変異陽性肺がんに対する有効性を確認」) 同薬は、全身療法の治療歴があるHER2遺伝子変異陽性の進行性切除不能または転移性のNSCLCの成人患者に対する治療薬候補として、に米食品医薬品局(FDA)から優先審査対象に指定されている。 同試験では、HER2チロシンキナーゼドメイン(TKD)変異を有する患者(75例)における客観的奏効率は(ORR)は71%〔完全奏効率(CR)7%、部分奏効率64%〕、病勢制御率(DCR)は96%だった。さらに、治療歴がある脳転移を有する患者(27例)では頭蓋内奏効を示し、奏効率は41%、DCRは81%だった。奏効期間(DoR)中央値は14.1カ月、無増悪生存(PFS)中央値は12.4カ月だった。またグレード3以上の薬剤関連有害事象の発生率は低く、安全性プロファイルは管理可能だった。