日本胃癌学会ガイドライン委員会は5月26日までに、第Ⅲ相試験KEYNOTE-811において、化学療法+トラスツズマブ療法と⽐べて化学療法+トラスツズマブ+ペムブロリズマブ併⽤療法の有意な全⽣存(OS)および無増悪⽣存(PFS)の延⻑が⽰されたことについてコメントを公表した(関連記事:「胃がん薬物療法、ICI/ゾルベの使い分けは?」)。 KEYNOTE-811では、HER2陽性の治癒切除不能な進⾏・再発胃がん/胃⾷道接合部がんに対する⼀次治療において、化学療法〔カペシタビン+オキサリプラチン(CapeOX)療法またはフルオロウラシル+シスプラチン(FP)療法〕+トラスツズマブ+プラセボ併⽤療法を対照群とし、化学療法+トラスツズマブ+ペムブロリズマブ併⽤療法の優越性を検討した。主要評価項⽬はOSおよびPFSであり、副次評価項⽬は奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性とした。 今回の最終解析の結果、全登録例において対照群と比べ、ペムブロリズマブ群で有意なOSの延⻑が⽰された。 同委員会は、「HER2陽性かつCPS(腫瘍組織におけるPD-L1を発現した腫瘍細胞および免疫細胞の数を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた数値)1以上の治癒切除不能な進⾏・再発胃がん/胃⾷道接合部がんにおいて、⼀次治療として化学療法+トラスツズマブ+ペムブロリズマブ併⽤療法を推奨する」とコメントしている。