ロシュは昨日(6月16日)、同社が製造販売するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する遺伝子治療薬デランジストロゲン モキセパルボベク(商品名エレビジス点滴静注)の安全性情報を掲出。同月15日付で同薬の歩行不能DMD患者(年齢不問)への使用を中止させる新たな投与制限を即時発効したと発表した。 今回の措置は、同薬を投与した歩行不能DMD患者において急性肝不全(ALF)による死亡が2例報告されたことによるもの。1例目の確認後、欧州では国際第Ⅲ相臨床試験ENVISIONを含む3件の臨床試験が一時保留とされている。欧州以外でもENVISION試験での投与は一時保留予定で、実臨床においても投与制限となる見通しだ。 日本において同薬は、エクソン8および/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性の3歳以上8歳未満の歩行可能なDMD患者を対象として先月(2025年5月)13日に条件および期限付き承認に該当する製造販売承認を取得している(関連記事:「デュシェンヌ型筋ジストロフィー、遺伝子治療薬が国内で承認」)。