ヤンセンファーマは本日(6月26日)、G蛋白質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)/CD3二重特異性抗体トアルクエタマブ(商品名タービー)とB細胞成熟抗原(BCMA)/CD3二重特異性抗体テクリスタマブ(テクベイリ)の併用療法について、髄外性形質細胞腫(EMD)を有し複数の治療歴がある再発/難治性の多発性骨髄腫(MM)患者が対象の第Ⅱ相試験RedirecTT-1において、深く持続的な奏効を達成したと発表した。(関連記事「トアルクエタマブ、再発/難治性多発骨髄腫に対する製造販売承認を取得」) 同試験の対象は、EMDを有し3つの標準的な治療歴がある再発/難治性MM患者90例。内訳は、3クラスの薬剤への抵抗性例が84.4%、5クラスの薬剤への抵抗性例が35.6%、BCMA標的キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法の治療歴は20%、二重特異性抗体の治療歴は8.9%だった。 トアルクエタマブ+テクリスタマブ併用療法群における全奏効率(ORR)は78.9%(95%CI 69.0~86.8%)と高く、完全奏効以上の達成率は54.4%だった。また、BCMA標的CAR-T細胞療法またはFcRH5標的二重特異性抗体の治療歴がある患者においても、高い奏効率が示された(順にORR 83.3%、95%CI 58.6~96.4%、同75%、34.9~96.8%)。データカットオフ時点(追跡期間中央値13.4カ月)で奏効が持続していた割合は66.2%と、深く持続的な奏効が認められた。併用療法群の1年無増悪生存(PFS)61%、1年時点における奏効持続率は64.1%(奏効期間中央値13.8カ月)、生存率は74.5%で全生存(OS)の中央値は未到達だった。