医療機関の経営において「患者満足」は避けて通れない要素です。これは単なる経営上の指標ではなく、医療の質そのものと密接に結び付いています。国際的にも医療の質評価の枠組みの中には「患者満足度」が含まれており、医療行為の結果だけでなくサービス提供の過程に対する評価が重視される傾向にあります。 そこで、今回は医療機関の経営において必須となりつつある「患者体験(Patient Experience;PE)」に焦点を当てて解説します。これは医療を受けた患者が感じる「印象」「感情」「理解度」などを包括的に表現したものであり、接遇の質や説明の分かりやすさ、待ち時間の長短などが影響します。