【緊急寄稿】宿直「かけ持ち」案に異議! 見過ごせないコスト削減の落とし穴

株式会社AMI&I代表取締役 溝口博重

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〔編集部から〕 医師不足や遠隔医療の進展などを背景に、1人の医師が複数の病院の宿直をかけ持ちする「宿直兼務」が内閣府の規制改革推進会議で議論されている。実現すれば現在の医療提供体制が大きく変わることになるが、問題はないのか。日本の医療制度に詳しい株式会社AMI&I代表取締役の溝口博重氏に寄稿してもらった。



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 高齢化が進む日本において、医療人材の不足や医療費高騰は避けて通れない課題である。そこで、政府の有識者会議で「療養型病院など夜間の医療需要が少ない病院では、1人の医師が複数の病院を『かけ持ち』し、各病院を移動または遠隔で診る形で宿直を行う」、すなわち「宿直兼務」というアイデアが出ている。

 現場の医師の負担軽減や医療コスト削減を目指す発想として、一定の理解はできる。しかし、この議論には幾つかの重大な問題が潜んでいる。

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