〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。6月23~29日の1週間に公開された論文からフォーカスしたのは「GLP-1関連薬の減量作用」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。 想定されている減量作用の機序は食欲減退、胃排出遅延など GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)とGLP/GIP -1受容体作動薬(GLP/GIP-1RA)の減量作用は、既に複数のランダム化比較試験(RCT)で確認されている。ただし実臨床における減量作用は、RCTよりも小さく、また報告間のバラツキが大きい(Diabetes Obes Metab 2025; 27: 66-88)。 このような減量作用の機序としては、食欲減退や胃排出遅延などが一般的には想定されている(Am J Med 2025; 138: 934-940)。 そして今回、この「食欲」減退に「味覚」の変化が関連している可能性が示された。ソーシャルメディアを用いた、大規模調査の結果である。オーストリア・Medical University of ViennaのAli Kapan氏らが6月24日、Diabetes Obes Metabで報告した。 なお同論文は、実臨床におけるGLP-1RAとGLP/GIP-1RAの減量作用を推測するにも役立ちそうである。