武田薬品工業は昨日(7月1日)、免疫グロブリン(Ig)Aの含量が少ない溶解操作不要な唯一の液状人免疫グロブリン製剤(米国での商品名GAMMAGARD LIQUID ERC、IgAの含有量が2μg/mL以下の10%製剤)について、2歳以上の原発性免疫不全症(PID)患者に対する補充療法として米食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。 PIDは、免疫系の一部が欠損または適切に機能しない550種を超える希少な慢性疾患群を指す(関連記事「免疫不全と感染症に関する最近の話題」)。頻回または持続性の感染症、自己免疫異常といった多様な症状が現れるため、複数の専門医を受診しても長期間診断が確定しないケースが少なくない。米国の推定罹患率は約1,200人に1人とされる。 同薬は溶解操作が不要な液状製剤で、静脈注射または皮下注射が可能であることから、患者および医療従事者の投与負担軽減に貢献することが期待される。今回の承認に伴い、同社は既存の静注用人免疫グロブリン製剤(米国での商品名GAMMAGARD S/D、5%凍結乾燥製剤)について、2027年12月末で製造を終了するとしている。