研究の背景:乾癬患者は不安やうつなどの精神症状が多い 乾癬は皮膚や関節などに症状が出る疾患で、罹患率は1~3%とされる。皮膚症状は紅斑性局面や紅斑性丘疹に銀色の鱗屑を伴うのが特徴である。乾癬は高血圧や心血管障害、悪性腫瘍などの重篤な合併症と関連するが、精神衛生への影響も重大な問題となっている。 具体的には外見を気にしたり、疾患を破滅的に考えたりして不安、うつ状態、アルコール依存症に陥ったり、自殺念慮を持ったりする。一方、心理社会的な問題が乾癬の悪化や再燃を生じさせることもある。また、痒みは睡眠障害を生じさせやすく、乾癬の悪化にもつながる。 乾癬患者のQOL低下に対する心理社会的介入は、これまで複数の報告がなされているものの、いずれの心理社会的な介入がより効果的かは不明である。そこで今回、認知行動療法やマインドフルネス療法をはじめとした6種類の心理社会的介入が精神衛生に及ぼす影響を比較した報告を紹介する(J Dermatolog Treat 2025; 36: 2427321)。(関連記事「〔動画で解説〕治らない皮膚症状、その先を診る」)