ベーリンガーインゲルハイムは昨日(10月6日)までに、特発性肺線維症(IPF)および進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)/進行性肺線維症(PPF)に対する開発中の経口優先的ホスホジエステラーゼ(PDE)4B阻害薬nerandomilast(開発コードBI 1015550)を評価する国際第Ⅲ相FIBRONEERプログラムから新たなデータを発表した。(関連記事「肺線維症に待望の新薬!NEJM2報を解説」「Nerandomilast、肺線維症を適応症として承認申請」) 第Ⅲ相試験FIBRONEER-IPFおよびFIBRONEER-ILDの併合解析において、nerandomilast群はIPFおよびPPFにおける死亡リスクを59%低下させ、プラセボ群に対して有意な差を示した。 FIBRONEER-IPF、FIBRONEER-ILDいずれにおいても、nerandomilast群で主要評価項目(努力肺活量で測定した呼吸機能低下の抑制)が達成された。いずれの試験においても、主な副次的評価項目(試験期間におけるIPFおよびPPFの初回急性増悪、呼吸器疾患による初回入院、または死亡のいずれかが生じるまでの期間)は達成されなかったが、両試験の併合解析の結果から、プラセボ群と比較してnerandomilast18mg群は、単剤療法および既存薬のニンテダニブとの併用療法として、IPFおよびPPFにおける有意な死亡リスクの低下を示した。死亡リスクの低下は、単剤療法でより強い傾向が認められた(全体集団:43%、単剤療法群:59%、ニンテダニブ併用療法群:41%)。 併合解析では、nerandomilastはこれまでの各疾患における第Ⅲ相試験の結果と同様の安全性および忍容性プロファイルを示し、有害事象による投与中止の割合はプラセボと同等だった。 これらの結果は2025年欧州呼吸器学会(ERS、アムステルダム)でポスター発表された。