優れた緩和ケア医はなぜ「解雇」されるのか
「穏やかな死」の普及を阻害する医師・患者関係
研究の背景:緩和ケアがもっと広まってほしいが...
近年、自宅や老人ホームなどの施設で亡くなる人が増えてきたとはいえ、日本では3分の2くらいの人が今も病院で亡くなっている。医療には限界があり、人はいつか必ず死を迎える。しかし、穏やかな死を迎えることは、今の医療体制の中ではまだまだ難しい。今後、緩和ケアがもっと広まってほしいものだ。
そんなことを思っていたとき、JAMAに「なぜ優れた緩和ケア医は解雇されるのか(Why Good Palliative Care Clinicians Get Fired)」というViewpointが掲載されているのに気付いた(JAMA 2025; 333: 1864-1865)。
著者は3人とも ダナ・ファーバーがん研究所、ハーバード大学、マウントサイナイ医科大学という、米国の名だたる病院に勤務する緩和ケアのスペシャリストである。ひょっとして、このうち誰かが最近不当に解雇されたのだろうか。穏やかな死を迎えることを助けてくれる緩和ケア医が「解雇」されるとは、一体なぜなのだろうか。
そう思いながら読んでみたら、緩和ケア医が「解雇」されたのは、雇用主である病院長からではなく、患者、あるいは主治医チームに拒絶されたという意味であった。
今回は、このViewpointを起点に、緩和ケアの普及を阻害する医師・患者関係について考えてみたい。
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加藤 忠史(かとう ただふみ)
順天堂大学精神医学講座主任教授。1988年東京大学医学部卒業、同病院で臨床研修、1989年滋賀医大精神医科大学講座助手、1994年同大学で医学博士取得、1995年米・アイオワ大学精神科に留学(10カ月間)。帰国後、1997年東京大学精神神経科助手、1999年同講師、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー、2019年理化学研究所脳神経科学研究センター副センター長を経て、2020年4月から現職。
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