塩野義製薬は本日(10月21日)、グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコル(商品名フェトロージャ)の国際後ろ向き観察研究PROVEにおける米国患者のリアルワールドエビデンスの概要を公表した。米国感染症学会週間Infectious Disease Week 2025(IDWeek 2025)で発表されたもので、セフィデロコルの早期投与により臨床転帰の改善が得られたという。(関連記事「新規抗菌薬セフィデロコル、欧州のリアルワールドでも好成績」) PROVEにおける米国患者群のコホート解析では、セフィデロコルが投与された呼吸器感染症、皮膚・軟部組織感染症、血流感染症などの重症508例を対象とした。 全体の臨床的治癒率は70.1%と、良好な臨床効果が得られた。また、標準的治療が効果不十分または無効例に代替的にセフィデロコルを投与(救済療法)した患者の治癒率は54.3%。これに対し、耐性菌による感染疑いなどの経験的知見に基づいて原因菌同定前から早期に同薬を使用(経験的治療)した患者では治癒率が73.7%と高い傾向が示された。