近年の消化器がん薬物療法は免疫チェックポイント阻害薬を中心に進歩しており、現在は幅広いがん種で有効性が確立されています。毎年秋に開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)と並び、次世代の標準治療が確立されたり、次につながるデータが公表されたりする重要な学会です。今回はESMO 2025で報告された消化器がん薬物療法の臨床試験の中から、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)2b高発現の胃がんを対象としたFORTITUDE-101試験、食道扁平上皮がんを対象としたLEAP-014試験、切除可能胃がんを対象としたMATTERHORN試験の追加解析の3件を取り上げて解説します。