武田薬品工業は11月8日、完全ヒト免疫グロブリンIgG1モノクローナル抗体mezagitamab(開発コードTAK-079)について、原発性IgA患者の腎機能を投与後18カ月間安定させるなどの良好な第Ⅰb相非盲検試験の結果を、米国腎臓学会(ASN)のKidney Week 2025で発表したと報告した。(関連記事「Mezagitamab、慢性特発性血小板減少性紫斑病に対する希少疾病用医薬品指定を取得」) 同試験では、IgA腎症患者17例を対象に安定した支持療法への上乗せとしてmezagitamab 600mgを週1回8週間投与した後、600mgを2週間隔で16週(計16回)投与。13例が長期追跡調査期間に移行した。96週時点(最終投与から18カ月経過)で腎機能は安定しており(推算糸球体濾過量のベースラインからの平均変化量+2.5mL/分/1.73m2、95%CI -1.8~+7.6mL/分/1.73m2、12例)、参加者の尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)で測定した蛋白尿の平均減少率は55.2%(95%CI 30.2~72.6%、13例)を維持していた。また、96週時点でガラクトース欠損型(Gd-)IgA1の50.1%の持続的な減少およびIgGのベースライン値への完全な回復が認められた。さらに、血尿は96週時点までに60%で回復した。 mezagitamabの忍容性はおおむね良好で、新たな安全性上の懸念は確認されなかった。重篤な有害事象、重篤な過敏症または注射関連反応、有害事象による中止、日和見感染またはグレード3以上の感染症はいずれも報告されなかった。 現在同薬は、原発性IgA腎症および慢性一次性免疫性血小板減少症の治療薬として第Ⅲ相臨床試験を実施中。