MSDは昨日(11月26日)までに、1日1回経口投与のPCSK9阻害薬として開発中のenlicitide decanoate(以下、enlicitide)について、第Ⅲ相試験2件(CORALreef HeFH、CORALreef Lipids)の結果を公表した。 CORALreef HeFH試験では、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)既往または高リスクで中強度/高強度のスタチンを含む脂質低下薬による安定したバックグラウンド治療を受けている家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体(HeFH)成人患者303例を登録。主要評価項目とした24週時におけるLDLコレステロールのベースラインからの変化量は、プラセボ群と比べてenlicitide群では59.4%低下(95%CI 53.2~65.6%低下、P<0.001)し、有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。効果の大きさと安全性プロファイルはCORALreef Lipids試験と同様だった。 CORALreef Lipids試験では、ASCVD既往歴/初発リスクがある高コレステロール血症の成人患者2,912例を登録。主要評価項目とした24週時におけるLDLコレステロールのベースラインからの変化量は、プラセボ群と比べenlicitide群で主要解析では55.8%(95%CI 50.7~60.9%、P<0.001)、事後再解析では59.7%(同57.1~62.3%)低下し、有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。 これらのデータは米国心臓協会(AHA 2025、11月7〜10日)で発表され、CORALreef HeFH試験の結果はJAMA(2025年11月9日オンライン版)に同時掲載された。