重症下肢虚血(criticallimbischemia;CLI)を発症する前に,間欠性跛行(IntermittentClaudication;IC)の症状を欠く末梢動脈疾患(PAD)患者が存在するが,その詳細は不明である。東京大学大学院腫瘍外科・血管外科の白須拓郎氏らは,アテローム動脈硬化性CLI患者225例の後方視的検討の結果から,CLI発症前のICの欠如は,下肢血行再建術後の下肢切断回避生存(Amputation-freeSurvival;AFS)率低下の独立したリスク因子であることを,Circ J(2015;79:1618-1623)で報告。血行再建術を受けたICの既往のないCLI患者では,糖尿病や低アルブミン血症,歩行機能不良の頻度が高く,術後入院期間が長期化するといった特徴が示された。