近年,薬剤溶出ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応が非保護左主幹部病変(ULMCAD)にも拡大されつつあるが,ULMCADに対するPCIと冠動脈バイパス術(CABG)の術後5年以上の成績を比較した研究は限られている。京都大学循環器内科の塩見紘樹氏らは,初回冠血行再建術の患者登録研究であるCREDO-Kyoto*PCI/CABGレジストリーコホート2に登録されたULMCAD患者1,004例の長期成績を検討。その結果,PCI群はCABG群に比べてULMCAD,特に高SYNTAXスコアの患者では,術後5年間の死亡/心筋梗塞(MI)/脳卒中リスクが有意に増加したことをCircJ(2015;79:1282-1289)に報告。術後3年時点では,ULMCAD患者全体でPCIとCABGの成績は同等であった(Am J Cardiol 2012;110:924-932)が,今回,術後5年まで追跡したことで交絡因子調整後もCABG群の有意な長期予後改善効果が示された。