播種密度の最適化を検討 米国では,心筋梗塞後の心不全患者を対象に自己心臓幹細胞移植の第Ⅰ相臨床試験が終了し,安全に施行可能と報告されている。しかし,細胞移植で十分な治療効果を得るためには,細胞培養条件,特に播種密度を最適化することが重要になる。大阪大学心臓血管外科の松田剛典氏(現:国立長寿医療研究センター老化機構研究部流動研究員)らは,ヒト心臓幹細胞を低い播種密度(340cells/cm2)で培養することで,Notchシグナルの抑制を介して心筋細胞への分化能が改善し,ラット急性心筋梗塞(AMI)モデルに対する細胞移植の治療効果を改善する可能性があることをCirc J(2014;78:222-231)で明らかにした。また,Notchシグナルが関与するかどうかは不明だが,低い播種密度がヒト心臓幹細胞の増殖活性を高めることが示された。